本論文ではハリロフスキー配列(ロシア、オレンブルグ地方)に分布する蛇紋岩鉱から結晶性のMg(OH)2ナノパウダーの製造経路について述べる。 40% HNO3, 80℃での処理とNH4OH滴定によるMg(OH)2沈殿からなる効率的な抽出経路が示された。 本研究では、蛇紋岩から得られた(Mg(NO3)2・6H2O)、沈殿剤としてのNH4OH、界面活性剤としてのヒドロキシエチル化ノニルフェノールを用いてソルボサーマル反応法により結晶性のMg(OH)2ナノ粉末を合成することができた。 走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、X線位相分析(XRD)、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP-OES)により試料の微細構造および相構成を調査した結果、以下のことが明らかになった。 X線回折の結果、高純度のMg(OH)2ナノパウダーはブルッカイト構造であることがわかった。 また、結晶性Mg(OH)2ナノパウダーは専らラメラ状構造からなり、そのサイズは縦横30-265 nmであることがわかった
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