成熟した表皮は、分化の度合いに応じて4つの細胞層から構成されている。 基底層は最内層にあり、分裂可能な未熟な立方体の細胞からなる。 基底層の細胞は、基本的にケラチノサイトに分化するが、メラノサイト、ランゲルハン細胞(食細胞)、メルケル細胞(神経内分泌細胞)などを生み出すこともある。 基底層の表層には、通常マウスでは境界が不明瞭な有棘層と、ケラトヒアリン顆粒を含む胞状細胞の数層からなる顆粒層がある。 最後に、最外層は角質層であり、扁平な無核細胞の数層からなり、徐々に落屑していく。 毛髪部の表皮は非常に薄く、基底層と狭い角質層のみからなる(Fig.16-1)。 これらの地域では、スピノサム層とグラニュロサム層は区別がつかず、足の甲など皮膚の厚い部分でのみ観察することができる(図16-20)。 外耳の表皮は毛幹の表皮と似ているがやや厚いのに対し、尾の表皮はかなり厚い。 表皮は基底膜に支えられており、その機能は真皮と表皮の間の代謝移動を調節する。