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初期症状は気づかないことが多い
ヘモクロマトーシスは、北欧系の人に多い遺伝病であるにもかかわらず、比較的知られていない疾患です。 最近まで、ヘモクロマトーシスは非常に稀な病気であると考えられていたため、症状は他の原因によるものとされてきました。 そのため、ヘモクロマトーシスと診断されないまま、回復不可能な障害が発生することがあります。 また、死後も血色素症が死因として見過ごされることが少なくありません。 このため、遺伝性ヘモクロマトーシスは「サイレントキラー」と呼ばれています。
ヘモクロマトーシスの症状は、必ずしも特定の順番で現れるわけではなく、また重要なことに、すべての患者さんがすべての症状を持つわけではありません。 以下のような症状がヘモクロマトーシスと関連しており、2つ以上の症状が組み合わさっている場合は、さらなる調査を行う必要があります。
- 慢性疲労
- 関節痛
- 関節炎、特に第1指と第2指、および親指
- 皮膚の色の変化。 色あせない日焼けのようなブロンズ色またはスレートグレー
- 腹痛と膨満感
- 月経不順と早期閉経
- 体毛喪失
- 性欲喪失、または、羞恥心の喪失。
- インポテンツ
- 急激な体重減少
- 甲状腺障害
- 気分変動、激しい落ち込みや怒りなどの人格変化
- 肝酵素値の上昇。 AST、ALT、GGTまたはアルクホスなど、定期的な血液検査で
- トリグリセリド値の上昇
- グルコースレベル(血糖値)の上昇
- 糖尿病(成人発症またはタイプII)
- 肥大した肝臓。 肝硬変などの肝臓の病気
- 不整脈
- うっ血性心不全や心筋症。 心筋の病気
生命を脅かす合併症を防ぐ
何らかの介入をしなければ、鉄分の取りすぎによる臓器の損傷は、最終的には生命を脅かす重大な病気、例えば次のようなものを引き起こすことになります。
- 肝硬変(肝がんや内出血などの合併症を伴う)
- うっ血性心不全
- 糖尿病
回復不能なダメージを受ける前に、症状が出る前の初期段階で障害を診断することが非常に重要です。 多くの合併症は治療や予防が可能ですが、早期の診断と治療が鍵となります
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