パラディアとは
パラディア(トセラニブリン酸塩)は、犬における肥満細胞腫の管理用抗がん剤として2009年6月にFDAより承認を受けた薬剤であります。 また、適応外使用として、様々な種類の腫瘍の管理や、猫のがんにも使用することが可能です。 パラディアは、腫瘍に供給する血管の発達に重要な受容体、および腫瘍の生存に重要な受容体の活性を阻害することにより作用するため、ペットの腫瘍を縮小させることができる可能性があります。 パラディアは、他の治療法(手術、ステロイド、NSAIDs、放射線療法、または従来の化学療法)と併用することができ、がん治療に対する多方向からのアプローチとなります。 他のがん治療と同様に、ペットの腫瘍がパラディアに反応するかどうか、また反応した場合、どのくらいの期間パラディアへの反応が持続するかを予測することは困難な場合があります。 ペットが予想通りに反応しているかどうかを判断し、パラディアの投与を継続すべきかどうかを決定するためには、腫瘍医による定期的な検診と血液検査が必要です。
パラディアでみられる最も一般的な副作用は、下痢、食欲低下または喪失、跛行、体重減少、血便などがあります。 その他の副作用としては、白血球、赤血球、血小板数の減少で見られる骨髄の抑制、肝臓や腎臓の数値の上昇などが考えられます。 食事拒否、嘔吐や下痢(特に24時間に2回以上)、黒いタール状の便、便や吐物に鮮やかな赤色の血液、原因不明のあざや出血、その他気になる変化などが見られた場合は、直ちにパラディアを中止し、腫瘍専門医に連絡をしてください。 通常、自宅で経口投与されます。 錠剤を分割したり割ったりせず、手袋を着用して投与する必要があります。 ビタミンやサプリメントを含め、ペットが受けている他のすべての薬について、腫瘍医が認識していることを確認してください。
パラディアを安全に取り扱うために知っておくべきことは?
- パラディアは抗がん剤ですので、錠剤の取り扱い、ペットへの投与、ペットの後始末には特に注意が必要です。
- パラディアを取り扱う際、またペットの尿、糞、嘔吐物に触れる際には手袋を着用する必要があります。
- パラディアはペットや子供の手の届かない安全な保管場所に保管する必要があります。
- 妊娠中、授乳中の方、または妊娠する可能性のある方がパラディアをペットに投与する場合は、家庭内の他の人にこの薬を投与してもらうことをお勧めします。
- パラディアをあなたや他の人が誤って摂取した場合は、直ちに医師の診断を仰いでください。 パラディアを人が誤って摂取した場合、嘔吐や下痢などの胃腸の不快感を感じることがあります。